「消えてしまうかもしれない」から始まった、落雁のイノベーション- 福岡県田川 楽心堂 -
その鮮やかなグラデーションに出会ったのは
福岡市内、アクロス福岡で開催されたデザインアワードの会場だった。
落雁が塔になっている。
盆になると仏壇に登場するそれに意識を注いだのは初めてで
「自宅にほしい」と思ったのも初めてだった。
ブースで丁寧な説明を受けたことを覚えている。
そして機会に恵まれ、楽心堂本舗にお邪魔することができた。
福岡県田川郡福智町。
外観は落ち着いた日本家屋。
中は、制作過程中の落雁が整然と見渡せた。
繊細なグラデーションだが、色の段階は最小限に設定されている。
ひとつひとつが美しく、それが集合することでさらなる存在感を放っていた。
仏壇の装飾の中にあっても、存在感を放ち、供花のように華やか。
この形の落雁は、斜陽となっていた市場への新風として
近年、作られるようになったもの。
かく言う、自宅に仏壇のないわたしでさえ「ほしい」と思うのだから、間違いなく落雁の需要を切り開いている。
心づくしのパッケージも魅力的。
伝統の干菓子で新しいアプローチするに際し、チャレンジをしつつ、干菓子従来の在り方への配慮も篤い。
意識のバージョンアップを常にし続けている。
同じ作り手として刺激的な現場だった。
Photo+Text さかたようこ
楽心堂本舗 本店
〒 822-1201 福岡県田川郡福智町金田946
Tel.0947-22-7288 Fax.0947-22-7289
営業時間|9:00~18:00 店休日|土曜、日曜、祝祭日
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